昨日の夜、大学の時の同期が逝った。あいつの長男が電話して来た。
遅くなってすいません、と。 入院先で、夕方急変してそのままだったらしい。 一昨々年、奥さんを亡くし、入院の日の朝まで仕事をしていたらしい。 後には、3人の子供lが残された。 大学生二人と浪人中の娘が一人。 さぞ心配だったろう。 鹿児島が故郷のあいつの母親が、老体にむち打って今朝、八王子のあいつの家に着いた。 「親より先に逝く奴は、一番の不幸者と言いますよね」と話しかけると、声もなく肩を震わせていた。 残される子供たちを思ってか、長男に「葬式はやるんじゃない」と言っておいたそうだ。 たぶん、あいつが一番心配なのは子供たちが立ち行くこと。なにか力になれるといいが。。。 誰にも知らせるな、と親戚にも友人にも入院を知らせることを許さなかったらしい。 会社の健康診断は、悪いものが見つかるといけないと警戒して極力避けていたらしい。まず、子供たちの生活を優先したのだろう。 入院しての検査で、肝臓がんと、大腸に転移したがんが見つかったそうだ。1月11日に入院して以来重湯と点滴が食事だったらしい。そのせいか、あいつの頰は痩せていた。 「ウラン父と秋田犬に知らせないのは残念だが・・・」と長男に話していたらしい。 「カッコつけ」だったあいつらしいと言うべきか、水臭いと怒るべきか? あいつが望んだように葬儀はしない。月曜に、近親者だけで火葬する。 秋田犬は、なんとか間に合いそうだ。 学生結婚だったあいつたち夫婦は、とても仲が良かった。ウラン父や秋田犬、角館はあいつの奥さんの手調理を目当てに、麻雀をあいつのアパートでやっていた。あいつの奥さんは姉さん女房で銀行員で羽振りが良かったなあ。 仲の良い夫婦らしく、あいつの奥さんの骨壺の横に、あいつの骨壺が並ぶだろう。 仲の良かった生前のように。。。 せめて、逝く前に会いたかったぞ、 せめて、逝く前に話したかったぞ。 お前の好きな吉行淳之介の小説の話しをしたかったぞ! せめて、逝く前に・・・
by mamoru0121
| 2011-02-20 00:10
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